2011-01-01から1年間の記事一覧

"チフスのメアリー" と "福島" の象徴性

"チフスのメアリー"をご存知だろうか? 私は金森修・著『病魔という悪の物語 - チフスのメアリー』で知った。メアリー・マローンはアメリカに移住したアイルランド系移民。 とても料理上手で子供の面倒見も良かったため、多くの家で賄い婦として働いた。 し…

山の孤独と街の孤独

夫の実家・大分の山奥は、深刻な過疎化の進む山奥。 すでに老人が数人住んでいるのみで、恐らくあと十数年で無くなる。 …それは暗黙の了解。 だからこそ義母も土地を離れがたく、愛し、慈しみながら暮らしている。周辺には街頭が一本のみ。 夜の闇はひたすら…

ビジネス・フォーマルとしてのカツラ

きっかけは夫のツイートだった。 「そういえばヅラの人が死んだ時は、 ヅラつけたまま棺桶入れるのかな。そりゃそうか。」 それを見た私は「そりゃそうでしょー。だって死に化粧する位だもん」って。それからしばらく極めてくだらないカツラ談義になったのだ…

『父性』の謎

私はかねてより『父性』というものがよく分からない。 いつ芽生えるのか、どういったものなのか。 存在する事は当然わかっているが、その芽生えには ある程度共に暮らす事が必要なのではないかと考えている。 「妻のお腹の中にいる時から愛しくてならなかっ…

ガラスの仮面を『共依存』の視点から読む

実に20年近くぶりにガラスの仮面を一巻から最新刊まで読み返した。 今読み返しても実に面白い傑作。当然、当時とは異なる感慨と感動を得たのだが、殊に主人公・北島マヤと母親の関係が『共依存』的である事が一番気にかかり、またこの視点から書かれたテキス…