巨大な怪物、名を失うということ

木曜 寒さで目を覚まして時計を見る。7:05。目覚ましが鳴るまであと5分。隣を見ると夫がいない。猫に起こされてごはんあげてるのかと思い、布団かぶって二度寝。目覚ましが鳴る。隣に夫が寝ている。「あれ?さっき起きてなかった?」「起きてないよ」。あん…

ON/OFF - vol.4 減薬したら元気になった話

FLYING HOUSE photo by Laurent Chehere私の持病、躁鬱病に関する記事の続きです。 過去記事はコチラから→ vol.1 vol.2 vol.3 【ザックリあらすじ】 一般的に躁鬱病の投薬治療は、どちらかと言えば平常よりちょっと低めの精神状態に保つようにされているらし…

ON/OFF - 私の抱える病について vol.3

CROSS FINGERS artwork by Naoya Nanashino【前回のあらすじ】 境界性パーソナリティー障害を決定的に発症し、躁鬱病、その他も悪化。名医に出会った事を転機に境界性は寛解。しかし、躁状態の逸脱した行動を鬱の時に後悔するため、折角活動できる躁期間の行…

ON/OFF - 私の抱える病について vol.2

Segundo Aniversario LMdT via La Medicina de Tongoy 【前回のあらすじ】 恐らく生まれつきである自身の病、躁鬱病は、難治かつオープンにする方が楽に生きられるだろうと、『坂口恭平 躁鬱日記』に触発され、書くことを一念発起。幼少期は病状が顕著でなく…

ON/OFF - 私の抱える病について vol.1

Hello there via Love, Alcohol and Dubstep 建築家・作家その他多様な活躍で知られる坂口恭平さんの著作にインスパイアされ、私も自身の抱える病を公にしようと思い立ちました。 なぜなら、きっとその方が楽に生きられるから。 恐らく、治らない病だから。…

禁煙アフォーダンス

Robert Watts /Hand With Cigarette, Pea On Placemat. via MoMA BLOG 週刊文春で"シャブ&飛鳥"と報じられ、先日初公判のあったあの方のTVニュースを観ていたら、覚せい剤中毒更生施設で行われている幾つかの療法の内ひとつが、私が以前自己流禁煙した時と同…

日常と非日常の揺らぎ

※注※この記事は2011年8月に書いて、アップし忘れていたものです。 私は元来アニメに興味のないタイプなのだけど、今のTVで面白いのはアニメ『日常』だと思っている。 マンガは過剰なほど好きだけどアニメは殆ど見ていない私ですらそうなのだから、見逃すのは…

「無償で当然」という思想

via Stone Sculptures by Hirotoshi Itoh一つ前のエントリ【どうしてプロに無償で仕事依頼しちゃダメなのか - 原価のある、時間】が、一年以上前の記事なのに何故か突然一昨日から大きな反響をいただいております。 2014/6/13午後2時時点でブックマーク285…

どうしてプロに無償で仕事依頼しちゃダメなのか - 原価のある、時間

Currency Wall Clock via M〓veis e designここ数日、"手に職系"のプロに"無償"で仕事を依頼することが続けて話題になってます。 「天王寺区広報デザイナー」無償の募集について - Change.org→コチラ 大阪市天王寺区役所が「デザインの力で、行政を変える!…

歴史の遺恨と語り方

箱館戦争図 函館奉行所公式ウェブサイトより大河ドラマ『八重の桜』で取り上げられて注目を受けている幕末。 私がふと思い浮かぶのは、幼い頃に聞いた戊辰戦争の遺恨、因縁なんです。 私は東京生まれなんですが、母の実家は代々会津。 子供の頃、お盆には毎…

恐怖のツボ

SEA MONSTERS UNMASKED by Henry Lee 掲載の挿絵"クラーケン"昨夜NHKで放映された、世界で初めて泳ぐダイオウイカの撮影に成功したドキュメンタリー、見ました? いやあ、面白かった。想像以上に目が怖いのね(昔のクラーケンのイラストでも、もっと目がかわ…

ギャンブルがギャンブルを見えづらくする?

Photo:Dollar Push Broom by Mark Wagner 私は宝くじすらギャンブル的に思えて買わないくらい興味がないのだけど、 昔、ホテルのバイトをしていた時、パチスロや競馬好きの人が周囲に沢山いました。 なまじ時給が良いから結構遊べた事も影響していたみたい。…

"チフスのメアリー" と "福島" の象徴性

"チフスのメアリー"をご存知だろうか? 私は金森修・著『病魔という悪の物語 - チフスのメアリー』で知った。メアリー・マローンはアメリカに移住したアイルランド系移民。 とても料理上手で子供の面倒見も良かったため、多くの家で賄い婦として働いた。 し…

山の孤独と街の孤独

夫の実家・大分の山奥は、深刻な過疎化の進む山奥。 すでに老人が数人住んでいるのみで、恐らくあと十数年で無くなる。 …それは暗黙の了解。 だからこそ義母も土地を離れがたく、愛し、慈しみながら暮らしている。周辺には街頭が一本のみ。 夜の闇はひたすら…

ビジネス・フォーマルとしてのカツラ

きっかけは夫のツイートだった。 「そういえばヅラの人が死んだ時は、 ヅラつけたまま棺桶入れるのかな。そりゃそうか。」 それを見た私は「そりゃそうでしょー。だって死に化粧する位だもん」って。それからしばらく極めてくだらないカツラ談義になったのだ…

『父性』の謎

私はかねてより『父性』というものがよく分からない。 いつ芽生えるのか、どういったものなのか。 存在する事は当然わかっているが、その芽生えには ある程度共に暮らす事が必要なのではないかと考えている。 「妻のお腹の中にいる時から愛しくてならなかっ…

ガラスの仮面を『共依存』の視点から読む

実に20年近くぶりにガラスの仮面を一巻から最新刊まで読み返した。 今読み返しても実に面白い傑作。当然、当時とは異なる感慨と感動を得たのだが、殊に主人公・北島マヤと母親の関係が『共依存』的である事が一番気にかかり、またこの視点から書かれたテキス…